ガン治療の合併症で起こるリンパ浮腫

ガン治療の合併症で起こるリンパ浮腫

皆さんは「リンパ浮腫」という病気をご存じですか?
リンパ浮腫とは、体内を血管と同じく巡るタンパク質を多く含んだリンパ液が通るリンパ管の流れが、阻害または切断されたために行き止まってしまい、行き場を無くしたリンパ液が、皮膚下で貯留し腫れてしまう病です。
主な原因は、乳ガン・子宮ガン・卵巣ガン・前立腺ガンなどの外科的がん治療の際に、ガン細胞に侵された臓器と共に大きなリンパ節が切除されてしまい、それまで順調に流れていたリンパ液が流れなくなり溜まり始めて、浮腫みを発症します。
乳ガンでは、ワキの下のリンパ節を切除するために手のリンパ浮腫になります。子宮ガンなどは、足の付け根のリンパ節を切除するために足のリンパ浮腫になります。
全ての乳ガン・子宮ガンなどの手術でリンパ節を切除した方が、リンパ浮腫を発症するのではありませんが、約30%ほどの方が軽度から重度まで発症すると言われます。
リンパ浮腫発症時期も様々です。手術後すぐに発症する方もいれば、10年程経過して発症する方もいます。
このリンパ浮腫は、直接命に係わる病気ではないのですが、手が浮腫み鉛筆やお箸等も持てない・足が浮腫みズボンや靴が入らない等の悩みは、生活をしていく上で大変辛い症状です。また、10数年程前まではガンの再発を防ぐために、大きくリンパ節を切除するのにもかかわらず、手術の合併症でリンパ浮腫を発症しても対応できる医師も僅かでした。
しかし、最近は2人に1人ガンを発症する時代にもなり、手術方法やリンパ節の切除も必要に応じて大幅に変化し、少しずつですがリンパ浮腫に対応できる医師や施設も増えつつあります。

 

もし、あなたがリンパ浮腫になったのなら、早期の専門医の受診をおすすめします。
残念ながらリンパ浮腫を一度でも発症すると完治は難しいとされています。ですが、決して放置はしないで下さい。そのままにしていても悪化するばかりです。
軽度であれば、就寝時に足を15cm程高く上げて寝るなどのケアで、無理をしなければ浮腫の維持ができる事もあります。
リンパ浮腫のケアと言えば「圧迫」と「乾燥予防」です。
圧迫とは、弾性ストッキングや包帯で手や足を圧迫する事です。圧迫した状態で動くと圧力によりリンパ管へのポンプ機能がアップしリンパの流れを促進します。
現在弾性ストッキングの圧力の強さや色も種類豊富で、数千円~数万円です。医師の指示書などの条件はありますが保険適用の商品もあります。
乾燥予防とは、リンパ浮腫になると溜まったリンパ液によって皮膚が張ってきます。進行すると皮膚の硬直化が起こり乾燥もひどくなります。皮膚乾燥が続くと、感染などのリスクも上がり、発熱や浮腫の部分の熱感など悪化も懸念されるので、乾燥予防にローションやクリームを塗る事が大切です。

 

現在リンパ浮腫の患者さんは数十万人とも言われその症状も様々です。何か手足に違和感を感じたならば、是非とも受診して下さい。
早めに治療を開始し、あなたに合った治療法でリンパ浮腫の悪化を防ぐ事をおすすめします。

 

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